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前鋸筋の筋トレ、ストレッチ5選!効果、やり方、前鋸筋の作用もご紹介|前鋸筋の痛みを感じたら?

2018.05.24
ショルダープレスマシン

前鋸筋は聞き慣れない筋肉ですが、脇の下あたりに位置し、ボクサー筋とも言われています。また、実は肩こりなどにも関係する筋肉です。

今回はそんな前鋸筋の筋トレとストレッチ方法についてパーソナルトレーナーの木村泰久さんに詳しくご紹介頂きます。

また、前鋸筋の機能、作用、鍛えることの効果から痛みの原因などもご紹介しますので、是非参考にしてください。

前鋸筋とは?

本日はあまりスポットが当たらない、脇の下にある前鋸筋について、お伝えさせていただきます。

前鋸筋が機能不全を起こしてしまうと、なで肩やいかり肩になってしまい、肩こりや肩の炎症などにも繋がってしまうのです。

しっかりと前鋸筋を活性させましょう。

  1. 前鋸筋とは?
  2. 前鋸筋の機能、作用とは?
  3. 前鋸筋を鍛える効果

① 前鋸筋とは?

上半身 筋肉図

前鋸筋は、両腕の脇下にあります。

喉下にある肋骨1番目から9番目にはじまり、背中にある肩甲骨の内側に付着しています。

外からも触ることは出来ますが、広背筋や肩甲骨に隠れるような形になっているため触れることは難しいです。

肩甲骨に関する記事は下記をご確認ください。

② 前鋸筋の機能、作用とは?

前鋸筋の主な働きとしては、肩甲骨を外に開く・肩甲骨を上下に回す(上方・下方回旋)ような動きを起こします。

肩甲骨は肩の動きに大きく関係します。

腕をバンザイのように挙げる・後ろに引く・肩を回すなどでは、すべて腕に加えて肩甲骨も連動して動きます。

この肩甲骨の動きが無ければ、肩の動きを生み出すことは出来ません。(脇を絞ったままの肘から先の動きや手首の動きは省きます)

前鋸筋の具体的な動作

この中でも、前鋸筋は特に腕を前に押し出す・バンザイで上げ下げをする動作に関与します。

腕を前に押し出す動作は、分かりやすく例えるならボクシングのパンチをするような動作です。

また、少しイメージがつきにくいかも知れませんが、腕を上げ下げするような動きの時には、肩甲骨は回転するように動きます。この働きに前鋸筋は強く関与します。

加え、動かしていない状態でも肩甲骨を正しい位置に定めておくという機能もあります。

この働きがきちんと出来ていなければ、バランスが崩れてなで肩やいかり肩などの姿勢になり、そのまま使い続けることで痛みなどにもつながるのです。

③ 前鋸筋を鍛える効果

前鋸筋を鍛える効果としては、まさに上記の「肩甲骨を正しい位置に定めておく」という部分が大きな割合を占めます。

肩甲骨ストレッチ

肩甲骨が正しい位置でないことによる影響

肩甲骨が活性していないと、肩甲骨が斜めに垂れ下がったようになります。

この状態では、肩甲骨を正しく使うことが出来ず、極端なアンバランスが生まれます。

具体的には、前鋸筋が働かない分、胸の奥にある小胸筋や、肩甲骨と首をつなぐ肩甲挙筋という筋肉が短く硬くなります。

これらが過剰に働いてしまうと、肩が下がる・すくむ・背中が丸くなるなどの猫背姿勢になってしまいます。

つまり、前鋸筋とこれらの筋肉のバランスが崩れてしまうと肩こりや肩の痛みなどにつながってしまうのです。

そして、その中でも多いのが前鋸筋が不活性になっているケースなのです。

なぜなら、日常生活の中では上記の小胸筋・肩甲挙筋を使う頻度の方が多いからです。

バランスとしてはシーソーをイメージしてみてください。

片方が重たく下がると、もう片方は軽く上がっています。それが起きてしまうのです。

前鋸筋を鍛えると肩こり改善効果なども

前鋸筋を鍛えることで、肩甲骨に関係する筋肉のバランスを整え、姿勢改善・肩こり改善・肩の痛み改善などが行えるのです。

最近の研究結果では、前鋸筋を活性させることで胸にある胸骨という骨が引き上がるということが分かっています。つまり、背中の丸まった猫背姿勢とは逆の方向に持っていけれるんですね。

また、筋量をアップされたい方にとっては、広背筋同様脇の下にボリュームをつけることが出来ます。(この場合ほとんどは広背筋となりますが、トレーニングで細かく分けることも出来ます)

前鋸筋の筋トレ

次に、前鋸筋のトレーニング方法についてお伝えいたします。前鋸筋は、様々なポジションでトレーニングすることが出来ます。

簡易なものから順番に説明していきます。

  1. プランク
  2. プッシュアップ
  3. コーナープッシュアップ
  4. ショルダープッシュアップ

① プランク

プランクは腹筋のトレーニングとして有名ですが、実は肘をついた方法は前鋸筋に効果があります。

プランク

やり方

  1. うつ伏せの状態から両肘を曲げて肘を肩の下に置きましょう。
  2. その状態から、つま先を立てて膝を浮かせましょう。
    お腹にも刺激が入りますが、この時に脇の下でボールをつぶすようなイメージで胸を引き上げることで、前鋸筋にも刺激が入ります。

注意点

注意点として、頭が落ちる・腰を反るなどの代償が出やすいため身体全体真っすぐを意識して行いましょう。

プランクは【監修】体幹を強化!フロントブリッジ(プランク)とは?効果、やり方のご紹介|ポイントや注意事項もをご確認ください。

② プッシュアップ

プランクと同じ原理でプッシュアップでも前鋸筋に刺激を入れることが出来ます。

ワイドプッシュアップ

通常行うプッシュアップ時に、脇の下でボールをつぶす、もしくは肩甲骨同士を少し離すようなイメージで行うことで、前鋸筋が使われます。

注意点

注意点として、プランク同様頭や腰の代償に気を付けましょう。

プッシュアップは下記をご確認ください。

③ コーナープッシュアップ

プッシュアップを立った状態且つ前鋸筋に刺激が入りやすいポジションで行います。

コーナープッシュアップ

  1. 立った状態で角の壁に向かいましょう。90度がベストです。
  2. その状態から脚を少し後ろに引き、両手を左右の壁に着き、身体を前のめりにするように肘の曲げ伸ばしを行いましょう。腕立て伏せと同じ要素です。

注意点

注意点として、動作中肘が開こうとします。

この代償が出ると前鋸筋にはアプローチが出来なくなってしまいますので、出来る限り脇を絞ってエクササイズを行いましょう。

④ ショルダープレス

マシンのショルダープレスです。

こちらのエクササイズは、主に三角筋などの肩周りをターゲットにしていますが、実は前鋸筋も使われています。

ショルダープレスマシン

 

通常のショルダープレスの動作の中で、脇の下にある前鋸筋を意識しながら行ってみましょう。

また、バリエーションとしてバーに角度を加え前に持ってくることで、より前鋸筋に刺激が入ります。

これらで前鋸筋にアプローチしていきましょう。

ショルダープレスは下記をご確認ください。

前鋸筋のストレッチ

次に前鋸筋のストレッチをご紹介します。

筋肉の付着部から考えて少し伸ばしにくい場所ではあるのですが、前鋸筋の働きと逆の方向にすることでストレッチを掛けることが出来ます。

前鋸筋ストレッチ

  1. イスに座り、肩と手を後ろに回したら背もたれを持ちましょう。
  2. その状態から、少し胸を天井に引き上げるようにすることで、胸と一緒に前鋸筋も伸ばされます。
    この時肩甲骨同士を寄せるようなイメージを持ってみましょう。

目的別の回数セット数

次に、筋トレをする場合の回数やセット数をご紹介します。

今回は目的に応じて回数セット数、またスピードも加えてご紹介します。

① 筋肥大を目的をする場合

筋肥大を目的とする場合、約12回程度行えるような重量や負荷が必要となります。

また、セット数の目安としては多めとなりますので、5セット以上を基準と考えましょう。

ポイント

マシンの場合は重さで調整します。

自重の場合は、スピードで調整しましょう。

おすすめは、ゆっくり戻すことです。この際かなりの筋肉や神経が動員されます。

ただし、前鋸筋は上記でもお伝えしたように大きな筋肉ではありません。

そのため筋肥大を目的に行い過ぎるとオーバーワークになる可能性があります。

プッシュアップショルダープレスなど、他のエクササイズの中で協働でアプローチするようにしましょう。

② 筋力アップを目的とする場合

筋力アップの場合は、筋肥大より強度が上がります。

回数の目安としては5回がやっと行える程度の重さで、セット数は少なく3セット程となります。

これはかなり疲労が起こります。

ポイント

ここでも、上記でお伝えしたオーバーワークのリスクがあるため、単独でのトレーニングは避けましょう。

例えば、プッシュアップではなくベンチプレスなどを高負荷で行うことで、大胸筋だけではなく前鋸筋もしっかりアプローチすることが出来ます。

これらでトレーニングをするようにしましょう。

前鋸筋の痛みを感じたら?

もし前鋸筋に痛みを感じた場合、それは肩甲骨自体が機能不全を起こしている可能性があります。

前鋸筋は本来筋力自体はそこまで強くなく、肩甲骨を安定させる・動きのサポートをするなどがメインの働きとなります。

その分、障害を受けやすくもなります。

しかし、この場合の障害は例えば筋断裂などよりも、機能不全や過剰に使ってしまったオーバーワークなどの可能性が高いです。

肩甲骨の機能不全にはストレッチポールなども有効

ストレッチポール

まず、機能不全の場合は肩甲骨を正しい位置に戻すことで痛みが取れるケースが多いです。

現に私の運営するスタジオでも、肩こりや肩の痛みが強い方の中には、この前鋸筋付近に痛みを感じられる方もいらっしゃいます。

その場合、私が行うことがストレッチポールで肩甲骨や肩をリラックスさせる・ピラティスなどで肩甲骨周りのバランスを整え正しく使っていきます。

それにより、かなりの確率で痛みは消失します。

ただし、それでも痛みが改善しない・悪化する場合は、他の要因が隠れている可能性が高いため、病院を受診しましょう。

肩甲骨のストレッチやストレッチポールは下記をご確認ください。

オーバーワークによる機能不全はまず休息を

また、トレーニングのやり過ぎによるオーバーワークでも痛みが出るケースもあります。

この場合はその箇所のトレーニングを数日やめて休息することで痛みは改善します。

それでも改善しない場合は、肩甲骨自体の機能不全の可能性があります。

大きな筋肉のトレーニングをすることで、肩甲骨や背骨が凝り固まるということは多くあります。

日ごろからインナーを鍛える・ウォーミングアップとクーリングダウンを行う習慣を身に付けましょう。

前鋸筋の筋トレの注意点

注意

前鋸筋を使用するイメージを持ちトレーニングに望む

前鋸筋の筋トレは、ポジションが非常に困難です。

仰向け・座位・立位など、通常のトレーニングと同じポジションのようですが、脇の下にある筋肉を使うということはとても困難です。

ここには”意識”がとても効果を発揮してくれます。

つまり、そこを使っているようにイメージしながらトレーニングを行うことで、しっかりと神経と筋肉は働いてくれます。

何度も言うようですが、前鋸筋は大きく強い筋肉ではありません。

前鋸筋だけのトレーニングはリスクが高いです。

そのため、他のエクササイズの中で、同時に前鋸筋を意識しながら行うことで、しっかりとアプローチすることが出来ますので、急に強度を上げたりしないようにしましょう。

正しい動きを徹底する

また、前鋸筋は肩甲骨を機能的に使うためにとても効果があります。

姿勢などにもよりますが、私が担当させていただく肩こりや肩痛の悩みを持たれているお客様には、基本的には前鋸筋のトレーニングをセッションの中で行っています。

その場合、強度はかなり低いですが、皆さま手や肩が震えます。

それだけ日頃から使えていないんですね。

ですので、重要なのは重さや回数・セット数よりも”正しいポジションや動き”と捉えてください。

無理に回数をこなすのではなく、正しく行うことにフォーカスして、きちんと前鋸筋を使えるようにトレーニングを行いましょう!

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は前鋸筋の筋トレとストレッチ方法についてパーソナルトレーナーの木村泰久さんに詳しくご紹介頂きました。

ぜひ皆さんも参考にして、取り組んでみてください。

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