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【監修済み】斜め懸垂、インバーテッドロウとは?効果、正しいやり方のご紹介

2016.10.30
インバーテッドロウ

自重トレーニングの中でも最高の強度を誇るのは、全体重を使用するチンニング(懸垂)でしょう。

スポーツで体を動かしている方でも、チンニングを初めて行う場合は一回もできない方も多く、それだけ負荷の強いトレーニングです。

そのため、チンニングで鍛えたいと思ってもなかなか手が出せずにいる方も多いのではないでしょうか。

今回は、チンニングの負荷を軽減しつつ、チンニングと同じ部位にアプローチできる、インバーテッドロウ(斜め懸垂)についてご紹介していきます。

インバーテッドロウ(斜め懸垂)とは?

インバーテッドロウでは、主に広背筋、僧帽筋(そうぼうきん)にアプローチするトレーニングで、補助的に上腕二頭筋や脊柱起立筋(せきついきりつきん)、腹筋群にもアプローチします。

上半身筋肉

通常のチンニングではかなりの負荷となるため、効果は非常に高いものの、正しいフォームで適切な回数を行うためには、ある程度鍛えられた筋力が必要となり、これからトレーニングを始めようとする方には不向きです。

しかしインバーテッドロウでは、チンニングと同じ筋肉を稼働させつつ、自重の全てではなく、かかとをつき、なおかつ斜め方向に体を引きつけるため、負荷は分散され初心者でも行いやすくなると同時に、正しいフォームや正しい筋肉の稼働を習得することができます。

チンニングで高い効果を上げるためには、正しいフォームの習得が不可欠です。

そのためには、いきなり高負荷のチンニングから始めるよりも、インバーテッドロウでチンニングに必要な筋肉の動作感覚を身につけることをオススメします。

インバーテッドロウ(斜め懸垂)の正しいやり方とは?

動作は比較的容易です。

基本的にはチンニング用のバーを使用しますが、テーブルやイスなどでも代用は可能です。

その際はテーブルやイスが動かないように固定し、思わぬ怪我が発生しないよう十分に配慮してください。

以下に動作とポイントを記しますので参考としてください。

インバーテッドロウ

  1. 低め(大体腰の高さ程度)のチンニング用のバーの下で仰向けになり、バーを順手で握ります。
    手幅は肩幅より左右それぞれ拳1つ分ほど広く取り、腕をまっすぐに伸ばして体重を預けます。全身をしっかりとまっすぐ伸ばし、やや胸を張るようにしてください。
  2. バーの高さに関わらず、斜めになった体に対し胸の前にバーが来るように体の位置を調節します。
    体に対して腕が直角よりやや下になるように伸ばすと良いでしょう。感覚的には、フラットな床の上で前習えをするイメージです。これでスタートポジションは完成です。
  3. ポジションが完成したら、まずは息を吐き出します。
    通常とは逆の呼吸になるので注意です。息を吐いたら、大きく息を吸い込みながら、肩甲骨を寄せるイメージで肘を引いていき、体をバーまで持ち上げます。この時肩がすくんでしまわないように注意し、スタート時に想定したバーの位置がそのまま近づいてくるように行ってください。
  4. ピークでは2〜3秒ほどキープし、ゆっくりと息を吐きながらまたは止めたままで体を降ろしていきます。
    この際、完全に降ろし切るのではなく、やや肩甲骨の寄せ、肘の曲げを残すことで負荷を逃さないようにしてください。また、一気に降ろしてしまうと負荷は逃げる上、肩の脱臼や腱、関節の損傷などの恐れがありますので注意しましょう。呼吸法は、動作を行う上で阻害しないために行うものであり、持ち上げ時に息を吸うことで肺が広がり、肩甲骨を寄せるイメージがつきやすくなります。

基本的な動作とポイントは以上です。

通常のチンニングよりも肩甲骨や広背筋の稼働の感覚は掴みやすく、正しいフォームを獲得するには最適のトレーニングですので、初心者の方ほど是非取り入れてみましょう。

何回、何セットやればよいのか?

回数とセット数に関しては、目的別にご紹介します。

以下で出てくる「RM」という用語は、トレーニング時に行える限界の回数を意味します。例えば、5回しかできなかった場合5RM、10回しかできない10RMとなります。

筋肥大を目的とする場合

  1. 8〜12RM
  2. 2分休憩
  3. 3セット

たくましい背中を作りたい方は、1セット8〜12RM、セット間は2分ほど休憩し、3セットを目安に行いましょう。

インバーテッドロウで8〜12回を超えられる方は、通常のチンニングでも複数回行える筋力はついていると思います。

その場合はチンニングを1セット限界まで×3セットを行いましょう。

インバーテッドロウは8回できるが、チンニングはほとんどできないという方の場合は、ダンベルのプレートや水を入れたペットボトルなどをリュックに入れて背負うなどで負荷を調節すると良いでしょう。

負荷を加える際は、必ずリュックを使用するようにし、プレートやダンベルを直接胸に乗せたりなど、無理な負荷の追加は絶対に行わないでください。

シェイプアップを目的とする場合

  1. 20〜25RM
  2. 1〜2分休憩
  3. 3〜5セット

シャープな肩や背中を作りたい方は、1セット20〜25RM前後、セット間は1〜2分ほど休憩し、可能であれば3〜5セットを目安に行ってください。

始めたばかりでは、負荷の弱いインバーテッドロウでも20回まで到達することは容易ではありません。

まずは1セット限界までを3セット行い、必要な筋肉、筋力を発達させてください。ただし、仮に5回しかできなかった方が20回まで到達できるようになったとすると、その頃には二の腕や背中、肩周りなどは若干筋肉がついているかもしれません。

もちろん筋肉が発達することにより基礎代謝量も増加するため、脂肪を燃焼しやすい体になっているのですが、それでもあまり逞しい体にはしたくないという方もいらっしゃるでしょう。

そういった方は、さらに負荷を弱くするために体の角度を立てて行ったり、膝をついて行うなど工夫して行いましょう。

インバーテッドロウ(斜め懸垂)の注意事項

  1. 正しいフォームで行う
  2. 安全なマットを敷いた上で行う

注意

① 正しいフォームで行う

注意事項ですが、まずは正しいフォームの獲得が最も重要です。

誤ったフォームでは本来使用割合の低い補助の筋肉を使用することになりますし、肩関節や肩甲骨に強く負担がかかります。また、反動を使って行うこともしないで下さい。

上級者では、反動を使って体を持ち上げ、そこからネガティブ動作(下げの動作)のみを行うトレーニングもありますが、フォームの安定しない初心者では非常に危険です。

② 安全なマットを敷いた上で行う

また、行う際は手が滑らないことにも注意し、万が一手が離れて落下してしまっても安全なようにマットなどを敷いておくと良いでしょう。

インバーテッドロウ(斜め懸垂)でさらに効果を出したい場合は?

  1. ラットプルダウンやダンベルローイングも取り入れる
  2. 超負荷トレーニングは行わない
  3. インバーテッドロウを最後に行う

① ラットプルダウンやダンベルローイングも取り入れる

さらに効果を上げる場合は、ラットプルダウンやダンベルロウイングなど他のトレーニングも同時に行うと良いでしょう。

 

ラットプルダウンのやり方

ラットプルダウン

  1. 手幅は肩幅より広く持ち、バーを握ります。
    大抵のバーは握るポイントが曲がっているため、曲がり始めた部分に人差し指を置くようにして握ると良いでしょう。
  2. 上体を若干後傾ぎみにします。
  3. お腹に力を入れて、胸を張ります。
  4. 肘を下に引くようにしながらバーを引きます。鎖骨の前までバーを引くようにしましょう。
  5. バーを下げたら、ゆっくりとバーをスタートポジションに戻します。
  6. 1〜5を繰り返します。

 

ダンベルローイングのやり方

ワンハンドローイング

  1. 膝と同じほどの高さのフラットベンチやテーブルなどに、トレーニングを行わない側の膝をつき、片足立ちをします。
  2. 背筋をまっすぐにしたまま、尻を突き出すように腰を曲げていき、背筋を反らさず曲げず、まっすぐに伸ばしたままで、同じ側の手をベンチに付きます。手は顔の真下くらいで良いでしょう、そうすると上体は水平より少し起きたくらいとなります。
  3. トレーニング側の手でダンベルを握ります。ダンベルはベンチと同じ向きかやや八の字方向で自然に持ち、あまり強く握らず、落とさない程度にします。ダンベルを握ったら少し浮かせ、背筋を伸ばします。この時点で広背筋に負荷がかかり、筋肉が伸展していることを意識してください。
  4. セットが完了したら、大きく息を吸いながら、または吸って止めたままで一気にダンベルを引いていきます。この際、肩をすくませてダンベルを真上に上げるのではなく、腰の方向に向かってやや斜め、気を付けの姿勢の時と同じ位置に肘が来るように、肘を引く意識で行うと良いでしょう。
  5. ピークまできたら、可能なら2〜3秒ほどキープを目指し、大体倍ほどの時間をかけるように、ゆっくり息を吐きながら同じ軌道でスタートポジションまで降ろしていきます。この時注意するのが、降ろしきった際に広背筋の負荷が消えてしまわないよう、広背筋がゆっくりと伸展して行くことを感じながら行いましょう。

詳しくはこちら

 

② 超負荷トレーニングは行わない

ただし、デッドリフトハイクリーンなど超高負荷のトレーニングを行う場合は複数の組み合わせは避けるようにしてください。

行う場合は必ずトレーナーや補助者をつけましょう。

③ インバーテッドロウを最後に行う

また、複数トレーニングを行う際は高負荷の順に行うことが一般的ですので、例えばラットプルダウン、ダンベルロウイング、インバーテッドロウの順で行うと良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

チンニングと同様の箇所を鍛えることができ、初心者にも簡単にできるインバーテッドロウ。
ぜひ普段のトレーニングに取り入れてみてはいかがでしょうか。

トレーニングを行う際には、正しいやり方や注意事項をしっかりと理解したうえで行うようにしましょう。

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